歴史散歩
2015-10-13 吹田方面
今回は「男の居場所」の会のメンバーだけではなく、女性も交えたオープンの例会になりました。モノレールの南摂津駅から出発し、
淀川や神崎川の堤防を歩いて吹田まで向かいました。途中の水路で鴨や鵜などの野鳥が見られましたので探鳥会の気分も味わえました。
江口の君堂(寂光寺)では、旅の途中で雨宿りのための宿を求めた西行と、それを断った妙(たえ)さんの和歌のやりとりを聞きました。
世の中を厭う間でこそ難からめ 仮の宿を惜しむ君かな(西行)
世の中を厭う人としきけば仮の屋に 心とむなと思ふばかりぞ(遊女 妙)
「世の中を、厭わしく思って出家することは難しいが、仮の宿を貸すことを惜しむとはね」 西行
「出家した人なら、仮の宿ごときに執着なさらないと思い、お断りしました」 遊女 妙
この後意気投合した二人は語り明かしたとあります。歌そのものに、色っぽいものは感じられませんが、
互いの知的レベルの高さを感じて、身の上を語り明かしたのでしょうね。ちなみに妙さんは平資盛の娘でした。
ここでも西園寺公経(きんつね)さん登場です。大ノ木神社は椋の老大樹が残っているだけですが、西園寺公経の屋敷(吹田殿)があった所です。
後嵯峨、後深草、後宇多などの歴代の上皇が訪れ、有馬の湯を運ばせて温泉を楽しんだり、贅沢を尽くした暮らしをしていたとのことです。
公家から武士へ権力が移る時代に、公家でありながら幕府側に付き後鳥羽上皇が企てた鎌倉幕府討幕を未然に防いだ(承久の変)功績で
太政大臣にまで昇りつめました。 百人一首では96番に西園寺公経ではなく、入道前太政大臣の名前で
「花さそふ嵐の庭の雪ならでふりゆくものはわが身なりけり」という歌が入っています
桜の花びらが雪が降るように舞い落ちる美しい情景が浮かんできますが、その中で降ると古るを掛けて、自分も老いたもんだなあと
述懐する姿は身につまされるものがあります。61歳で仏門に入り、74歳で世を去った公経さんを偲びました。
ゴールの朝日ビール吹田工場で見学の後、最初に飲んだ氷点下ビールは美味しかったです。
江口の君堂で記念撮影 ゴールの朝日ビール吹田工場で記念撮影(試飲後でご機嫌です)
淀川河川敷を歩く 一津屋の樋門でいわれを聞く 一津屋の樋門 神崎川と繋がる
車(
江口の里 神崎川の堤防を歩く(意外に長い) 浜屋敷到着
川面(かわづら)町の地車(ダンジリ) ゆっくり引くとの事 大ノ木明神社(吹田殿址) 工場見学後和やかにビール試飲