NHKのオリンピック世論調査に異変

 NHKのオリンピックについての世論調査で、「開催すべき」が昨年12月の調査で27%、今年1月の調査で16%だったのが、今年2月の調査では何らかの形での「開催」が55%と大幅に増加しています。

 これには調査方法の変更が大きく影響しています。

 まず、2月調査では、前回までの「開催すべき」を、「これまでと同様に開催」・「観客の数を制限して開催」・「無観客で開催」の3つに分けています。これは最近いろんな形での開催が取り沙汰されており、ある程度納得できます。

 次に、これまでの「7月からの開催について、どう思いますか。」という質問を、「どのような形で開催すべきだと思いますか。」と開催を前提にした質問に変えています。

 さらに、1月調査で39%と最も多くの人が選んだ「さらに延期すべき」の選択肢を抹消しています。これまでの調査で示された世論を否定するかような変更です。

 これらの変更を合理的に説明するには、「これまでの調査とは全く別の、開催時期を問わず開催方法だけに着目した調査に変えた。」というしかないと思います。

 そうであれば、「開催」の55%の中には、たとえば「延期して外国人観光客を入れずに開催」など「さらに延期すべき」という意見も含まれるということになりますね。

 世論調査結果の発表にあたっては、それらの点も含めて誤解の生じないように丁寧に説明していただく必要があったと思います。

        (水口)

2021年2月14日